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認知症リンクワーカー・フォローアップ研修を開催しました(第3回認知症とともに生きるまち大賞受賞決定)

2019年10月31日
 京都府では、認知症の人やその家族の不安に寄り添い、必要なサポートを行える専門職(認知症リンクワーカー)を養成するとともに、研修修了者に対し、フォローアップ研修を行っています。
 この度、「認知症の人の居場所づくり」をテーマに、下記のとおり、認知症リンクワーカー養成研修修了者だけでなく、幅広く認知症施策に携わる専門職を対象とした公開研修を開催しましたので、お知らせします。

1 日 時 令和元年10月31日(木) 午後1時15分~午後4時15分
2 場 所 京都府医師会館3階 310会議室
3 参加者 71名(うちリンクワーカー養成研修修了者:25名)
4 内 容 
   実践報告「認知症リンクワーカー養成研修から学んだ実践」
    講師:精華町北部地域包括支援センター 岡田典子氏

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   講演「デイサービス利用者が「働く」ための支援」
    講師:高齢者福祉施設西院 所長 河本歩美氏
                    田端重樹氏
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   グループワーク「認知症の人の居場所を考える」
    進行:一般社団法人京都社会福祉士会会長 福富昌城氏
    アドバイザー:河本歩美氏、田端重樹氏
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5 グループワーク結果
  参加者がグループで質問したいことを考え、発表

 Q.資金はどのように調達しているのか。
 A.助成金を受けているものもあるが、法人として事業計画を立て予算化している。社会福祉法人ということもあり、元々、地域活動貢献費という予算がある。プロモーション会社へは委託している。本来は、プラットホームのようなものがあればいいとは思う。施設内の取組で終わらせず、発信したいと考えている。

 Q.この取組の反響は。
 A.まだ始めて1年。最初は今のデイサービスの全利用者や家族に声をかけ、ケアマネジャーに声をかけて、興味がある方が参加されるようになった。理解されず怒られたこともあった。最初は参加されなかった方が、取組の様子を見て参加されるようになったこともある。また、来る者拒まずであり、利用者以外では、5~6件の相談があった。

 Q.日常業務に支障はないか。
 A.田端さんはこの事業のために働いている。また、西院デイサービスでは、以前から、時間外の取組だが、利用者の自立度を上げる方法を考える「よくする介護委員会」と利用者のやりたいことを実現する「夢をかなえましょう委員会」があり、活動のベースがあった。さらに、業務改善活動も行っている。(例えば整理整頓を行い物の場所を探すために費やす時間の削減)ただし、反発もあった。

 Q.認知症の方は自信をなくされている方もあると思うが、利用者にやる気を出してもらうコツはあるか。
 A.7年前から自利支援を本格化させいようと、利用者に「ありがとう」を言おうという活動を始めていた。「ありがとう」と言うために、やりたいことや強みを見つけるようにしている。それまでは、利用者に先回りして、効率的に動く職員が優秀という雰囲気だったが、誰が早く強みを見つけるか競うようになり、職員の価値観が変わったように感じる。見つけた強みは2つの委員会で報告し、利用者のやりたいことの実現につなげている。最近では100歳の利用者が自分の誕生日に巻き寿司50本を巻いたということもあった。また、今日の利用者に、明日来る人のためのメニュー表を作ってもらうこともある。実現する上で「できない」とは言いたくない。

 Q.利用者主体にがらりと変える方法はあるか。
 A.いろいろ考え、介護技術を学んだりもしたが、職員がおもしろがってくれることが大きい。

 Q.企業の方とはどのように接点をもったのか。
 A.利用者にも生活があるので、まちが変わっていかないといけないと思い、まちづくりの活動に飛び込んだ。そのような市民活動は多くある。まずは京都市のまちづくり100人委員会に登録した。ワークショップで様々な方と出会ったが、福祉の世界は閉鎖的だと感じる。その中で、自分たちの思いを共有できる人たちと出会った。

 Q.最初は法人内ではやっていいとも、いけないとも言えない取組だったと思うが、どのように調整したのか。
 A.法人としては自由に何でもできるという雰囲気ではないが、各施設には裁量の範囲は広かった。どうしても、詳細を伝えられ、良いか悪いかを聞かれるとリスクを考えてしまうので、概要をさらっと伝えておいて、詳細はやってから、ということが多くなっているかもしれない。ただし、法人内部に理解者は確保しており、どんなことをしたいか小出しに説明するようにしている。また、楽しく仕事をしましょうをモットーにしている。施設から何度も出ようとする方もおられるが、「大変だ」ではなくて、「どう付き合ったら楽しいか」を考えようと言っている。

<研修の感想>
  ・既存のサービスの中からしか選択できないようにするのではなく、本人の思いを叶えるための行動が大事。
  ・対象者のやりたいことを実現するために、やりたいことを確認することから実践したい。
  ・当事者のやりたいこと、強みを見つけることが職員の意識を変えた大きなところだと思った。
  ・法人自体が地域の居場所を中心に活動しており、認知症の方だけではなく、高齢者が自分の役割を感じてもらえるようなことも考えてみたいなと思った。
  ・「はたらく」ということについて、事業所として定義付けされ、コンセプトがぶれないようにされていることが印象的でした。「理念」は大切だと思いました。
  ・認知症でも役割、居場所としての「はたらく」活動への参加ができることは、仲間・チーム意識をもつことで社会性を獲得できることが大切だと思った。


研修当日資料は以下のとおり(PDF)


※この研修の後、NHKが創設した第3回認知症とともに生きるまち大賞を西院デイサービスのsitteプロジェクトが受賞しました。
https://www.npwo.or.jp/info/15350
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