アルツハイマー型認知症の新しい治療薬
抗アミロイドβ抗体薬治療について
令和5年にレカネマブ(レケンビ®点滴静注)が、令和6年にドナネマブ(ケサンラ®点滴静注液)が、アルツハイマー病の原因になっている物質(アミロイドβ)を取り除き、病気の進行を抑制する薬(抗アミロイドβ抗体薬)として国内で承認されました。
抗アミロイドβ抗体薬による治療の対象となるのは、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)及び軽度のアルツハイマー型認知症の方に限定されており、認知症と診断された方全てが対象となるものではありません。
投与対象となるかは、患者本人及び家族・介護者の治療意思が確認されていること、本剤の禁忌に該当しないこと、MRI検査(1.5Tesla以上)が実施可能であること、認知機能の低下及び臨床症状の重症度範囲が適用の範囲であること、アミロイドPETまたは脳脊髄液検査により脳にアミロイドβの蓄積が認められることを確認し、判断されます。
レカネマブ(レケンビ®点滴静注)は2週間に1度の間隔で、約1時間かけて点滴で投与します。ドナネマブ(ケサンラ®点滴静注液)は4週間に1度の間隔で、少なくとも30分かけて点滴で投与します。
レカネマブ(レケンビ®点滴静注)の投与は、原則18か月までとされています。ドナネマブ(ケサンラ®点滴静注液)は、投与開始後12か月を目安にアミロイドPET検査を実施し、アミロイドβの除去を確認します。除去が確認された場合は投与完了し、確認されなかった場合は、投与開始後18か月まで投与を継続します。
抗アミロイドβ抗体薬による治療については、まず「認知症疾患医療センター」またはかかりつけ医に御相談ください。
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抗アミロイドβ抗体薬治療までの流れ
- 初回投与後6か月以降は、初回投与医療機関以外の医療機関(初回投与施設と連携がとられており、医師の配置、チーム体制等の要件を満たす医療機関)で投与することが可能です。