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第5回(平成30年度第2回)京都府認知症初期集中支援チーム連絡会を開催しました
2019年01月17日
認知症の人が府内のどの地域に在住していても同等の支援が受けられるよう、認知症初期集中支援チームによる支援内容の共有等により、支援の質の向上を図ることを目的に、下記のとおり連絡会を開催しましたので、その概要をお知らせします。
1 日 時 平成31年1月17日(木) 午前10時20分~午後4時15分
2 場 所 京都府医師会館3階 310会議室
3 参加者 52名(内訳 チーム員及び市町村職員等45名、保健所7名)
4 内 容
(1)オリエンテーション
(2)実践報告
「多職種の視点を活かした初期集中支援について」
木津川市高齢介護課 主任 中畑 麻紀子 氏
「動き出した「あがりと」の実際」
綾部市立病院 作業療法士 古川 絵美 氏
(3)講演
講演①
「認知症初期集中支援における在宅支援」
京都橘大学 健康科学部作業療法学科 教授 小川 敬之 氏
講演②
「認知症と間違いやすい精神疾患」
京都府立医科大学大学院精神機能病態学 教授 成本 迅 氏
(4)意見交換「認知症初期集中支援チームの活動」
①認知症初期集中支援チームにおける支援基準
②事例検討
<Iグループ(事例2)>
・妄想に基づくトラブルについて、2年前の脳梗塞によるものか、本人の性格によるものか、隣人との元々の関係性はどうだったか、アセスメントが必要。
・支援にあたっては受診が必要。包括や保健師の健康チェック等の訪問をきっかけにしたり、脳梗塞に伴い定期受診されていれば、かかりつけ医をきっかけにアプローチできないか。
・コーヒーを煎れることが趣味ということで、認知症カフェ等で本人の役割の場を持ってもらうことも考えられる。
→脳の器質的変性について情報を取り、精神疾患、本人の性格へとアプローチを変えていくことは大切。(成本教授)
<Hグループ(事例2)>
・既往歴のあるかかりつけ医から情報収集をしながら、キーパーソン探しをしていくことが大切。
・医療機関の受診支援を行い、鑑別診断を目指す。認知症だと診断があれば、初期集中支援チームとして対応し、認知症でなければ地域包括支援センターや保健所で対応していく。
→かかりつけ医であれば、元々の人となりなど把握されていることもあるので、連携は重要。(成本教授)
<Gグループ(事例2)>
・定期通院をしているクリニックがあれば連携をはかる。
・近隣とのトラブルがあるため、原因疾患が分かれば、地域ケア会議を行う。
・男性の一人暮らしでできあいのものを作られているということなので、例えば簡単なものを一緒に作り、胃袋をつかんで関係を作ってから支援を行うという方法もある。
→脳梗塞の後遺症で、20分間集中できないなど、目に見えない障害があることがある。集中できないとイライラしてしまうこともある。友人で1時間集中できず、無理をすると「キーン」という音がするとも言う。もしこのようなケースであれば事例でいう「電波」とも関係しているかもしれない。(小川教授)
→目に見えない認知機能の障害が精神症状につながることもある。(成本教授)
<Fグループ(事例1)>
・管理人と距離ができているため、訪問の際は、市役所や地域包括支援センター職員により、お困り事がないか回っているという切り口で行ってはどうかという意見があった。
・ゴミが出せていない理由は、認知症によるものか、膝痛によるものか見極めが必要。
・膝痛であれば、整形外科、認知症であれば、サービス利用により生活リズムを整えることが必要。
・趣味が花や習字ということなので、作品を公共スペースに置くなどして管理人との関係を修復できる可能性もあるのでは、という意見があった。
→心と体は繋がっている。心と体が影響し合ってどのような結果が得られるかは全体で見る必要がある。(小川教授)
<総括>
・精神症状のアセスメントについて講演を行ったが、参加者は認知症か精神疾患か見極めるような場面に遭遇していることが多いのではと感じた。初期集中支援チームでそのようなスキルが溜まれば、地域包括支援センターやケアマネジャーと共有するようなことも考えていただきたい。(成本教授)
・事例に上がっていた「ゴミを溜めてしまう」「電波を感じる」といったケースについて、本人はどんな気持ちだろうか、ということを考えられるような支援ができればいい。バリデーションやユマニチュードという言葉で語られるスキルだが、初期集中支援チームによる支援の根幹だと思う。これが無ければ、サービスの当てはめになり、新たなBPSDを有む。(小川教授)
1 日 時 平成31年1月17日(木) 午前10時20分~午後4時15分
2 場 所 京都府医師会館3階 310会議室
3 参加者 52名(内訳 チーム員及び市町村職員等45名、保健所7名)
4 内 容
(1)オリエンテーション
(2)実践報告
「多職種の視点を活かした初期集中支援について」
木津川市高齢介護課 主任 中畑 麻紀子 氏
「動き出した「あがりと」の実際」
綾部市立病院 作業療法士 古川 絵美 氏
(3)講演
講演①
「認知症初期集中支援における在宅支援」
京都橘大学 健康科学部作業療法学科 教授 小川 敬之 氏
講演②
「認知症と間違いやすい精神疾患」
京都府立医科大学大学院精神機能病態学 教授 成本 迅 氏
(4)意見交換「認知症初期集中支援チームの活動」
①認知症初期集中支援チームにおける支援基準
②事例検討
<Iグループ(事例2)>
・妄想に基づくトラブルについて、2年前の脳梗塞によるものか、本人の性格によるものか、隣人との元々の関係性はどうだったか、アセスメントが必要。
・支援にあたっては受診が必要。包括や保健師の健康チェック等の訪問をきっかけにしたり、脳梗塞に伴い定期受診されていれば、かかりつけ医をきっかけにアプローチできないか。
・コーヒーを煎れることが趣味ということで、認知症カフェ等で本人の役割の場を持ってもらうことも考えられる。
→脳の器質的変性について情報を取り、精神疾患、本人の性格へとアプローチを変えていくことは大切。(成本教授)
<Hグループ(事例2)>
・既往歴のあるかかりつけ医から情報収集をしながら、キーパーソン探しをしていくことが大切。
・医療機関の受診支援を行い、鑑別診断を目指す。認知症だと診断があれば、初期集中支援チームとして対応し、認知症でなければ地域包括支援センターや保健所で対応していく。
→かかりつけ医であれば、元々の人となりなど把握されていることもあるので、連携は重要。(成本教授)
<Gグループ(事例2)>
・定期通院をしているクリニックがあれば連携をはかる。
・近隣とのトラブルがあるため、原因疾患が分かれば、地域ケア会議を行う。
・男性の一人暮らしでできあいのものを作られているということなので、例えば簡単なものを一緒に作り、胃袋をつかんで関係を作ってから支援を行うという方法もある。
→脳梗塞の後遺症で、20分間集中できないなど、目に見えない障害があることがある。集中できないとイライラしてしまうこともある。友人で1時間集中できず、無理をすると「キーン」という音がするとも言う。もしこのようなケースであれば事例でいう「電波」とも関係しているかもしれない。(小川教授)
→目に見えない認知機能の障害が精神症状につながることもある。(成本教授)
<Fグループ(事例1)>
・管理人と距離ができているため、訪問の際は、市役所や地域包括支援センター職員により、お困り事がないか回っているという切り口で行ってはどうかという意見があった。
・ゴミが出せていない理由は、認知症によるものか、膝痛によるものか見極めが必要。
・膝痛であれば、整形外科、認知症であれば、サービス利用により生活リズムを整えることが必要。
・趣味が花や習字ということなので、作品を公共スペースに置くなどして管理人との関係を修復できる可能性もあるのでは、という意見があった。
→心と体は繋がっている。心と体が影響し合ってどのような結果が得られるかは全体で見る必要がある。(小川教授)
<総括>
・精神症状のアセスメントについて講演を行ったが、参加者は認知症か精神疾患か見極めるような場面に遭遇していることが多いのではと感じた。初期集中支援チームでそのようなスキルが溜まれば、地域包括支援センターやケアマネジャーと共有するようなことも考えていただきたい。(成本教授)
・事例に上がっていた「ゴミを溜めてしまう」「電波を感じる」といったケースについて、本人はどんな気持ちだろうか、ということを考えられるような支援ができればいい。バリデーションやユマニチュードという言葉で語られるスキルだが、初期集中支援チームによる支援の根幹だと思う。これが無ければ、サービスの当てはめになり、新たなBPSDを有む。(小川教授)
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